【書評】カール・アルブレヒト 「サービスマネジメント」
”モノのサービス化”が言われている現状で、製造業側から品質管理を論じたものが多いのにも関わらず、サービス業側から品質管理を論じたものが少ないことに疑問をもって、手にとった本。
TQM、シックスシグマといった品質管理に関する言葉は、製造業が起源となっていることが多い。
だが、IBMがシステムインテグレーターになったころから、モノを売るという行為もまた、サービスを提供するという概念に吸収されつつあるように思える。
例えば、電車に乗る、というのは駅から駅までの移動機能を購入しているのに対して、車を買うというのにも、目的地までの移動機能を購入している、と見ることもできる。そういう意味では、前者はサービスで、後者もサービスになる。(もっとも自動車の場合は、走るという行為そのものが目的だったり、所有することが目的になるほうが圧倒的なので、モノ売りと見られている。)
自分がモノを売っていると考えていると、思考はモノの性能、品質の良さの追求となる。ところが昨今のように、モノの性能や品質だけでは勝負にならない状況になると、価格競争に陥るか、モノをとりまくサービス品質での勝負となる。
前者を避けるとすれば、モノをとりまくサービスをマネジメントすることが必要になるだろう。ところがそれは一朝一夕にできるものではない、という声を製造業からはよく聞く。(実はサービス業であっても、売場視点でものを捉えるため、顧客視点にはなかなか立てない例も散見される。)
その意味で、多くの事例を交えながら、顧客の側からサービスプロセスを捉え直すとはどういうことか、多くの示唆を与えてくれる文献であろう。自分の経験からしても、とある仕事で悩んでいたとき、光明を与えてくれた書籍であり、紹介しようと思う。
サービス・マネジメント